Record of Wakayama

和歌山県内の町並み、レトロな商店街、歴史的建築、観光スポットを写真に記録しています。地域の今と昔を歩いて感じる“和歌山まち歩き”ブログです。

南紀熊野ジオパーク【上富田町】|大賀ハスとオカフジが彩る田中神社の森

南紀熊野ジオパークを巡る|田中神社の森

田中神社の森

田中神社の森とは?

世界的博物学者の南方熊楠が名付けた『オカフジ』に覆われた、小さな森に建つ神社。

周囲には田んぼが広がり、裏手にある湿地には毎年6月下旬〜8月上旬かけて

『大賀ハス』が美しく咲きます。

ちょっと小さなトトロの森のような雰囲気です。

そしてこの神社、大水の時に近くを流れる岡川上流の、八幡神社の森が流れてきたとの言

い伝えがあるようです。

昭和31年に県の天然記念物の第一号として指定されました。

ジオパークとは?

地球の活動によって生まれた地形・地層を軸に、自然や文化を学べる地域のことです。

例えるなら『地球の博物館』が屋外に広がっている感じでしょうか。

田中神社の森へのアクセス・駐車場

田中神社の森には駐車場があるので、安心して車でお越しください。

周辺にも『救馬渓』や『富田川の潜水橋』などのジオパークがあるので一緒にまわるのがオススメ。

田中神社

田中神社の名前は、周辺を田んぼに囲まれている(田の中にある)のが由来のようだ。

田中神社は、1915年(大正4年)にいったん八上神社に※合祀されてしまい、神社としての機能を失ってしまいました。

しかし、植物学者の南方熊楠が「たとえ合祀されても、神社の森(神林)だけは残しておきなさい」と助言したことで、周囲の森を伐採せずに守ることができました。

そのおかげで、後に田中神社をもとの場所に復活させることができたのです。

※合祀(ごうし)とは、いくつかの神社の神様を、一つの神社にまとめて祀ることです。

御神木のクスノキ

鳥居をくぐり、まず目につくのが大きな御神木の楠

この楠の根に手水鉢が埋まっているらしい。

その手水鉢には江戸時代の年号が刻まれていたようですが

現在は根に呑み込まれ見ることができないそうです。

 

昭和レトロな手水の作法の看板

神社でよく見かけるこちらの『手水の作法』の看板

田中神社では昔ながらの昭和の女の子です。

以前、白浜の熊野三所神社で見たのがこちら。

熊野三所神社の手水の作法

熊野三所神社の女の子はめっちゃお粧ししてますね。

些細な事だけど、非常に面白いなって思います。

もしかしたらもっと様々なバージョンがあるのではないだろうか。

これは調べてみる価値があるのでは。

 

日の光が射し込む田中神社の森

こちらは2023年12月撮影の一枚。

この日は天気も良く、日の光が境内に差し込み、何とも神々しい雰囲気。

今回の撮影は季節はバッチリだけど、天気に恵まれず‥

 

 

この説明板には最初に書いた、和歌山県指定文化財であること

南方熊楠によって、この森の岡藤は変種として『オカフジ』と命名された事が

書かれている。

それとオカフジの特徴が記されていました。

『全体として総状花序が短く、また一つの花についてみると、花弁がやや大きく

花は淡くて白色に近い。

翼弁はこれに反して色が濃い。

神社入り口と祠背後の二株が特に見事である』と書かれていました。

田中神社の小さな祠

鳥居の奥にひっそりと佇む祠。

傍には丸い石が置かれていましたが、この石は何でしょうか?

詳しい方いらっしゃれば教えていただきたいです。

 

わずか8アールの小さな森に、小さな祠。

木々のすき間から差し込む光の中で、境内のベンチに座ってひと息つく――そんな時間もきっと心に残るはずです。

 

大賀ハス田

田中神社の森の周りは田んぼに囲まれているのですが、一部がハス田になっており

綺麗なハスを鑑賞することができます。

 

大賀ハス(オオガハス)は、古代ハスとも呼ばれ、約2,000年前の地層から発掘された種子から発芽・開花した奇跡のハスです。

1951年、植物学者の大賀一郎博士が、千葉県の遺跡から発掘された種を発芽させたことから「大賀ハス」と名付けられました。

見頃は6月下旬〜8月上旬にかけて。

いつもとは違う南紀観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

田中神社の森に来たなら一緒にまわりたいジオパーク

保呂の虫喰岩

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